撮影前。

今日、ゆらりゆらりと地震があった。

衣装の山を前にしていた植木は、衣装に埋もれてしまわぬよう、そこから非難。
パソコン作業をしていた私はただでさえ調子の悪いパソコンを気にしながらも、
とりあえずは、熟睡していた猫を抱え上げる。

同時に植木は素早くドアを開け、非難体勢が整う。
我々、こういう時の行動は素早い。

地震が治まった頃に、春原が事務所に合流。
歩いてきた道の両側の塀がぐらぐらぐらぐら揺れていたと、
鬼気迫る顔で説明する。

地震より、その顔の方が怖かった。

はい。
何故このように珍しく、事務所に集結していたかというと、
明日はいよいよ、『互角』に使用する映像の、撮影日だからです。

かくして衣装に小道具が揃い、準備はほぼ万端。
なるべく早く、良い感じに撮影を終了させて、
あとの時間と日程は、出来るだけ稽古にまわしたい。

そのためには、サクサクビシッと、撮影をこなさなければならない。
撮影予定はある程度アバウトに、臨機応変に行こう。

そのためには…、えっと、とりあえず寝るか。